Loading

BLOG

日本美術に影響を受けたパリの二大ジュエリー作家とは?

グランサンク(パリ5大宝飾店)と人気コレクションについてささっと解説してみた
【髪型別】似合うイヤリングの選び方とは?
【顔型別】似合うイヤリングの選び方とは?
ピアスの歴史は数千年?起源からファッション文化に至るまで
金属アレルギーを防ぐためのイヤリング・ピアスの選び方
previous arrow
next arrow
Shadow
Slider

アレクシス・ファリーズ(1811~1898)

フランス人のアレクシス・ファリーズは、1838年にパリで創業した有名なジュエラーです。
世界一古いジュエリーブランドとして知られるメレリオ・ディ・メレーの工房で修行を積んでから自分の工房をオープンしました。

ファリーズは日本の有線七宝や葛飾北斎の日本画などから強い影響を受け
そのエッセンスは自分の作風に取り込んだジャポニズムの先駆者として知られていますね。

ファリーズのブランドは息子のリュシアンと3人の孫(アンドレ、ジャン、ピエール)の3代にわたって引き継がれましたが
1936年に経営にメインで関わっていたアンドレが死去すると同時に閉鎖されたので
残念ながらジュエリー店としてのファリーズ現存していません。

ファリーズの作風

ファリーズの作品は金の地金にエナメル細工を施したジュエリーが多く、クロワゾネ・エナメルの技法を最も得意としました。

デザインの特徴は日本の花鳥風月などからインスピレーションを受けた典型的なジャポニズムスタイルですが
アール・ヌーヴォーにはじまるジャポニズムの波に後乗りした作家とは違い
ファリーズは先駆け、時代の波を作った張本人と言えるんです。

またファリーズは自分の周りに優秀な職人を集める才能があったため
彼の工房で制作された作品には職人たちによる多彩な技巧が見られました。

これもファリーズが手がけるジュエリーの特徴として挙げられますね。

ちなみにエナメルは、色のついたガラスの粉末を金属の上で焼き溶かして模様を描く技術のことで
クロワゾネ・エナメルは、多岐にわたるエナメル技法の中でも
金属の壁で作った仕切りの中にガラスを流す方法でつくられるエナメル細工のこと。

エナメルは日本では七宝と呼ばれ、クロワゾネ・エナメルは有線七宝と呼ばれています。

ファリーズの代表作

日本の花鳥風月が有線七宝で描かれたゴールドメダル

出典:http://blog-antique-gallery-soleil.com/

描かれている花鳥風月は葛飾北斎のスケッチを参考にしたものだと言われていて
アール・ヌーヴォー期におけるジャポニズムの先駆的な作品となっています。

日本の文物をテーマとしたネックレス(エナメル細工師アントワーヌ・タールとの協作)

出典:http://www.albionart.com/jewel/アントワーヌ・タール作のエナメル・ディスクを/

東洋の花模様とゴシック文字が描かれたエナメルのバングル

出典:http://www.albionart.com/jewel/ファリーズ製作のエナメルバングル/

リュシアン・ガイヤール(1861~1933)

リュシアン・ガイヤールはファリーズの半世紀後に生まれたフランス人ジュエラー。
彼もまた日本の美術や彫金技術に強い関心を示し、自らの作風に取り込んだ著名な作家です。

宝石商として4代目にあたるガイヤールは
父親の仕事を引き継ぐ形でパリにあるアトリエ兼販売店で働いていました。

そして父を師匠としてジュエリー制作の伝統的な技術を身につけると
20代後半、1889年のパリ万国博でグランプリを受賞。

受賞から3年後の1892年に父の工房を継いで
店を拡大するためにショールームを新設するなどして勢力的に活動しました。

アール・ヌーヴォー自体が日本美術から影響を受けているわけですが
ガイヤールはその中でも、ファリーズ同様にジャポニズムの傾向が顕著に表れている作家です。

ガイヤールの作風

ガイヤールの作品は動物や植物をテーマとした自然主義的なものが多く
曲線と具象モチーフからなるアール・ヌーヴォー様式に目を惹かれるものばかり。

べっ甲や象牙などの有機素材を多用したのもガイヤールが自然を愛していたからだと言われています。

日本の伝統技法である七宝や漆などを上手に取り入れたデザインも
ガイヤールのジュエリーに見られる大きな特徴となっていますね。

またガイヤールは同時代のルネ・ラリックやジャン・ポール・ヴェヴェールをライバルとみなしていたようで
競うようにして彼らと同じ技術を用いらジュエリーを作っていたことは有名な話です。

ガイヤールの逸話

ガイヤールは日本のデザインや技法を研究して自分の作品に取り入れるだけではなく
わざわざ日本まで出向いた上で、なんと日本の職人たちをパリの工房に雇い入れたんです。

ガイヤールはそれほどまでに日本の美に魅せられ
自らの表現を突き詰めた稀有なジュエラーと言えるでしょう。

ちなみに、ガイヤールが日本の職人をパリへ招いた時に
日本の伝統的な金属として知られる”四分一(しぶいち)”や”赤銅(しゃくどう)”をつくる技術が
初めて日本からフランスへ渡ったと考えられています。

 

関連記事

  1. シルバー製の装身具はアクセサリーなのかそれともジュエリーなのか、という問題につい…

    2018.07.26
  2. アンティークジュエリーとその時代区分。見どころは〇〇!?

    2018.07.19
  3. K18とK10の違い。価値が高いのは?お手頃で買えるのはどっち?

    2018.08.23
  4. 日本のジュエリー史には空白の1000年がある?!

    2018.08.01
  5. ジュエリーと関係の深い日本の伝統工芸技術まとめ【おすすめ作家も紹介】

    2018.09.25
  6. ジュエリーの分野で注目を集める日本固有の金属のお話

    2018.09.29
PAGE TOP